私たちについて
沿革
小さなつぶやきから、一つの大きな輪へ
I. 孤独から共感へ:SNSでの小さな一歩
当会の歩みは、2022年(令和4年)6月、ある一人の母親(現代表)がSNSに投稿した、切実な問いかけから始まりました。
治療法のない難病という診断、進行への恐怖、そして社会的な孤立。難病児を抱える親としての葛藤や、就労とケアの狭間で抱える苦悩は、当時、誰にも相談できないほど深いものでした。
アルポート症候群に関する情報が極端に乏しかった当時、その小さな投稿は、同じ闇の中で光を探していた患者・家族たちの目に留まりました。「一人ではない」「私も同じ悩みを抱えている」――。SNS上で交わされた言葉は、孤独だった個々の点をつなぎ、やがて確かな希望の線となっていきました。
II.つながりを形に:コミュニティの形成
SNSでの交流が深まるにつれ、「このつながりをより確かなものにしたい」という機運が高まります。
令和5年2月、その想いはLINEオープンチャット「アルポート症候群の会」として結実しました。広く呼びかけることで、潜在的に悩んでいた多くの当事者が集い、互いに励まし合い、情報を交換し合う、温かいコミュニティが形成されていきました。
III. 飛躍のとき:世界との連携
会の活動が大きく動き出したのは、令和7年3月のことです。
熊本大学で開催された「遺伝性腎疾患アルポート症候群の国際ワークショップ」の情報をきっかけに、代表が甲斐広文先生とコンタクトを取ったことが転機となりました。
「日本の患者さんの現状が世界に見えてこない」と憂慮され、国境を越えた連携を模索されていた甲斐先生と、患者・家族の切実な声を届けたいという代表の想い。この二つが合致し、当会はZoomを通じてワークショップに参加。全国の仲間と共に、世界とのつながりを実感する瞬間を共有しました。
この日、国際アルポート患者団体の日本支部としての活動が承認され、代表が正式にリーダーとして任命されるに至りました。
IV. 正式設立、そして未来へ
その後、活動はさらに加速します。令和7年5月には、より密な交流を目指してDiscordを開設。そして同年6月、長年の悲願であった任意団体「アルポート症候群の会」が正式に設立されました。
たった一つの投稿から始まった小さな輪は、多くの共感を呼び、先進国で唯一患者会が存在しなかった日本に、ついに「場所」を作ることができました。
私たちはこれからも、遺伝性疾患への偏見のない社会、そして一日も早い根治治療の実現を目指し、医療の進歩に寄与しながら、患者と家族の未来を照らす活動を続けてまいります。
つながりが未来をつくる
令和5年2月14日 LINEオープンチャット 「アルポート症候群の会」 開設
令和7年3月21日 遺伝性腎臓病(アルポート症候群)国際ワークショップ イン熊本への参加
国際アルポート症候群患者団体の日本支部としてキックオフ
令和7年5月 2日 Discord「アルポート症候群の会」 開設
令和7年6月 1日 任意団体 「アルポート症候群の会」 設立
会の概要
| 会の名称 | アルポート症候群の会(任意団体) |
| 所在地 | 神戸市中央区楠町7丁目5番1号(国立大学法人神戸大学医学部附属病院 内科系講座小児科学分野内) |
| 設立年月日 | 令和7年6月1日 |
| 活動目的 | アルポート症候群の患者やその家族、医療従事者等が交流し、アルポート症候群やその合併症、また、腎臓病についてのについての正しい知識や最新の情報を学び、相互にサポートし合える環境を築くことを目的としています。 |
| 活動内容 | 1.アルポート症候群の患者とその家族の支援 2.アルポート症候群の認知度を高める啓発活動 3.アルポート症候群についての情報収集と提供 4.医療制度や社会保障制度の改善を関係団体に求める署名・要請活動 |
医療顧問の先生ご紹介
| 中西 浩一 先生 | 国立大学法人琉球大学大学院医学研究科 育成医学(小児科)講座 教授 一般社団法人日本小児腎臓病学会 理事長 |
| 野津 寛大 先生 | 国立大学法人神戸大学大学院医学研究科 内科系講座小児科学分野 教授 国際アルポート財団 Scientific Advisory Research Network (SARN) メンバー |
| 三浦健一郎 先生 | 東京女子医科大学 腎臓小児科 教授 診療部長 |
| 甲斐 広文 先生 | 国立大学法人熊本大学 名誉教授 国立大学法人熊本大学薬学部 客員教授 国際アルポート財団 Scientific Advisory Research Network (SARN) メンバー 日本医療研究開発機構 (AMED) 難治性疾患実用化研究事業「アルポート症候群腎症進展抑制薬の研究開発」研究代表者 株式会社GALTS Pharma 代表取締役(GALTS : Good for ALporT Syndrome) |
| 山村 智彦 先生 | 国立大学法人神戸大学大学院医学研究科 内科系講座小児科学分野 講師 |
| 堀之内智子 先生 | 国立大学法人神戸大学大学院医学研究科 内科系講座小児科学分野 講師 |
